書籍を買う際、サイズ選びに迷ったことはありませんか?この記事では、本のサイズの基礎知識から特殊なサイズまでわかりやすく解説します。
記事を読むことで、自分に合う本のサイズを迷わずに選べるようになります。本の購入や制作に役立つ情報が得られるでしょう。
本のサイズの基礎知識
本のサイズ選びの基礎知識として、次の2点を押さえましょう。
- 本のサイズを表す判型
- 本のサイズがもたらす利便性
本はサイズによって使い勝手が異なります。目的や環境を考えて選んでください。
本のサイズを表す判型
判型は本のサイズを表す重要な指標です。日本では、JIS(日本産業規格)によって標準化されたサイズが親しまれています。主な判型にA判、B判、新書判があります。
A判は国際基準の紙のサイズで、A4サイズが有名です。B判はJIS(日本産業規格)に基づく原紙サイズで、B5やB6がよく見るサイズでしょう。新書判はJIS(日本産業規格)外ですが、日本独自の規格として多く利用されています。判型を選ぶ際は、読みやすさや持ち運びやすさ、コスパを考慮してください。
大型本や中型本、小型本といった大まかな分類でサイズが表されることもあります。特定ジャンルやニーズに応じた変形版と呼ばれる非標準サイズも存在します。
本のサイズがもたらす利便性
小型本は通勤や旅行にも気軽に携帯でき、隙間時間を利用した読書が楽しめます。収納スペースを有効活用でき、限られた棚のスペースに多くの本を収納できるメリットがあります。手になじむサイズのため、長時間の読書でも疲れにくく、読書が快適になるでしょう。
本のサイズによって印刷や製本コストが変わり、本の価格にも影響します。デザインやレイアウトの自由度にも影響し、サイズによって個性的な書籍の制作も可能です。本のサイズは出版側にとっても、コストやデザイン面で重要な要素です。
本のサイズの種類
主な本のサイズの種類は次の6つです。
- 文庫判
- 新書判
- B6判
- A5判
- B5判
- A4判
用途に応じて、最適なものを選んでください。
文庫判
文庫判は、148mm×105mmのA6サイズの本です。手軽に持ち運べ、移動時間の読書に最適です。多くの小説やエッセイが文庫判で出版されており、読書初心者には手に取りやすいサイズでしょう。文庫判の本の多くはソフトカバーで製本されており、軽くて持ち運びが楽です。
ページ数が多くても厚みが抑えられるため、収納にも便利です。コンパクトなので内容を一目で把握しやすく、快適に読書できます。印刷コストが比較的低いため手頃な価格で購入できるのも、広く親しまれる理由でしょう。文庫判は便利さと経済性を兼ね備え、幅広い読者のニーズに応えられるサイズです。
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新書判
新書判は173mm×105mmの日本独自のサイズです。文庫本より少し大きく、文字が読みやすい特徴があります。専門書やノンフィクションに多く見られ、持ち運びやすさと読みやすさのバランスが魅力です。外出時に携帯しやすいサイズ感から、多くの読者に選ばれています。
ソフトカバーが一般的で、書店では文庫本とは別の場所に置かれることが多いです。
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B6判
B6判サイズは128mm×182mmで、小説やエッセイなどの文芸書に使われます。手に持って読みやすく持ち運びにも便利なため、読書を楽しむ方には使いやすいでしょう。B6判の本は400ページ前後が多く、読み応えと携帯性のバランスが良いのも人気です。新書判や文庫判より大きいため、文字も読みやすいです。
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A5判
A5判サイズは210mm x 148mmで、単行本や教科書に採用されます。持ち運びやすさと読みやすさのバランスに優れ、多くの読者に人気です。1ページが大きいため、専門的な内容を扱う書籍に適したサイズと言えます。ノートや手帳にも採用されるなど、汎用性も高いです。
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B5判
B5判は182mm×257mmで、本や書籍によく使われるサイズです。文章が多くても読みやすく、図表やグラフも載せられるため、教科書や専門書に多く採用されます。レイアウトの自由度が高く、情報を整理しやすいのも特徴で、雑誌や単行本など多目的で使用されます。
ただし、サイズがやや大きいため、持ち運びには不向きでしょう。
A4判
A4判サイズは210mm x 297mmで、学術書や専門書によく使われます。資料や図表が多く、情報量の多い書籍に最適です。レポートや論文に適したサイズで、教科書や参考書にも採用されます。ただし、持ち運ぶには不便なサイズのため、用途を考慮する必要があるでしょう。
ハードカバー本とソフトカバー本のサイズ比較
ハードカバー本とソフトカバー本のサイズの違いについて、次の2点を知っておきましょう。
- ハードカバー本のサイズ
- ソフトカバー本のサイズ
同じ判型でも、ハードカバーとソフトカバーではサイズが微妙に異なります。ハードカバーのA5判はソフトカバーのA5判より、わずかに大きいです。ふたつの違いを把握できれば、目的に合った本が選べるでしょう。
ハードカバー本のサイズ
ハードカバー本はソフトカバーより大きく耐久性があり、図書館での長期利用に適しています。標準的なハードカバー本は6x9インチ(約152x229mm)です。読みやすさと持ち運びやすさのバランスが良いサイズです。
大きな書籍の場合は、7x10インチ(約178x254mm)以上のサイズもあります。子ども向けの絵本やアートブックなど、視覚的魅力を重視する書籍で採用されます。本棚に並べた際の見栄えの良さから、コレクターアイテムとしての価値も高いです。
ソフトカバー本のサイズ
ソフトカバー本のサイズは、持ち運びやすさや読みやすさに特化した大きさです。文庫判や新書判は、どの場面でも気軽に読書を楽しめるようなサイズになっています。紙や薄いカートンで作られた柔らかいカバーが特徴で、軽量で持ち運びも便利です。
特殊な本のサイズと用途
本のサイズは用途よって様々な形があります。主な特殊サイズと用途は次の5つです。
- ミニブック
- プロモーションやギフト用に最適で、ポケットサイズで持ち運びやすい。
- スクエアサイズ
- アートブックや写真集に用いられ、ビジュアルにインパクトを与える。
- オーバーサイズ
- 図鑑や専門書に多く、画像や図表を見やすくするのに最適。
- ポートフォリオサイズ
- アーティストの作品集に使われ、作品を大きく魅力的に見せられる。
- パンフレットサイズ
- イベントや施設案内、メニューなどの情報提供に最適で、配布も手軽です。
変形サイズの本
変形サイズの本はビジュアル重視のアートブックや写真集に多く、正方形や長方形、極端に縦長や横長の形状があります。ユニークなデザインによって、読者の注意を引く効果があります。ただし、書棚に収納しにくく、標準サイズと比べてコストが高いのがデメリットです。
変形サイズは子ども向けの絵本やポップアップブックなど、特定のターゲットを持つ出版物に多いです。書店に並べる際は、特別な工夫が必要でしょう。
特殊サイズ本の制作目的
特殊サイズ本は読者に独特な体験を提供するために制作されます。通常と異なる表紙サイズで読者の注目を集めるなど、ブランディングやマーケティング戦略の一環です。限定版といったコレクターアイテムとしての価値を高めたり、インタラクティブ要素を取り入れ読者の興味を引くことも可能です。
デザインやイラストを際立たせ、商品の特異性を強調することもできます。ニーズに合わせて読みやすさや携帯性の調整も重要です。記念出版物として価値を持たせるために特殊サイズを選ぶケースもあります。
電子書籍とサイズの関係
電子書籍には、サイズに縛られない柔軟性があります。電子書籍とサイズの関係を知る上で、次の2点を押さえましょう。
- 電子書籍のサイズ
- 電子書籍フォーマットとスクリーンサイズ
電子書籍のサイズ
電子書籍のサイズは紙の本と異なり、サイズは固定されていません。読むデバイスに応じて、テキストサイズやページレイアウトが変化します。スマホやタブレット、専用の電子書籍リーダーやPCなど、どのデバイスでも快適に読めるよう設計されています。
ユーザーは自分が見やすいフォントの大きさや行間の調整が可能です。画像や図表はデバイスに合う解像度で表示され、スクリーンの大きさや向きに最適化されます。
電子書籍フォーマットとスクリーンサイズ
電子書籍は使用するデバイスによって、選択するフォーマットが異なります。主なフォーマットは次の2つです。
- EPUB
- 流動性のあるレイアウトが特徴で、スマホのような小さい画面に最適。文字や画像が読みやすいです。
- ページレイアウトが保持されるため、タブレットやデスクトップなど大画面での閲覧に向いています。
電子インクディスプレイ搭載の電子書籍リーダーは目に優しく、長時間の読書に最適です。フォーマット選択時は、デバイスの解像度や見やすいアスペクト比も考慮することで、より快適に読書できます。
まとめ
本の判型はサイズを表す指標です。文庫判や新書判などの一般サイズから、A4判のような大きなものまで幅広く存在します。ハードカバー本は頑丈で大きいのに対し、ソフトカバー本は手軽で持ち運びやすい特徴があります。変形サイズや特殊サイズの本は、デザイン性を重視したものが多いです。
電子書籍はデバイスの画面によってサイズが変わります。以上の点を把握し、自分の読書スタイルに合う本を選んでください。
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