・女性特有の腰痛原因って何?
・腰痛の解消方法ってどんな方法?
・働き続けないと家計が苦しい
腰痛は、ただの不快感に留まらず、日常生活や仕事のパフォーマンスに大きな影響を及ぼします。
痛みを放置していると、徐々に悪化し、最終的には日常生活に支障をきたします。
結果、QOL(生活の質)が大きく下がってしまうでしょう。
本記事では総合病院で10年間理学療法士として勤務しており、産婦人科や整形外科のリハビリ経験を積んできた僕が書いています。
特に50代の方でも実践できる腰痛対策をご紹介します。
そのまま腰痛を放置すると腰痛は悪化する一方です。
仕事ができなくなる可能性もあります。
高齢になってから対策をしても、手遅れになってしまうかもしれません。
本記事を最後まで読めば、腰痛が日常生活に影響を及ぼす前に対策が可能です。
仕事中でも簡単にできる予防策を実践して、痛みを未然に防ぎましょう。
50代女性の腰痛の原因4選
50代女性の腰痛の代表する原因は以下の4つです。
- 50代女性の腰痛の代表する原因
- ・筋肉による腰痛
・ストレスによる腰痛
・ホルモンによる腰痛
・病気による腰痛
1.筋肉による腰痛
50代女性の筋肉による腰痛は次のような原因が考えられます。
- 筋肉による腰痛の原因
- ・ぎっくり腰
・筋肉の衰え
・腰の筋肉に使いすぎ
それぞれ解説していきます。
ぎっくり腰
ぎっくり腰の原因は、筋肉の急激な負担や不適切な動作によって引き起こされます。
予防策を意識的に取り入れることで、ぎっくり腰対策をしていきましょう。
予防策には以下のようなものがあります。
- ぎっくり腰の予防策
- ・筋肉を温める
・いい姿勢で物を持ち上げる
・定期的な運動
この予防策を行うことで腰痛のリスクを減らせます。
50代の女性は、特に筋肉量の減少や筋肉の柔軟性の低下により、腰痛を発症しやすいです。
例えば、以下のような状況でぎっくり腰を発症する場合があります。
- ぎっくり腰の発症例
- ・家事や買い物で重たい荷物を持つ
・掃除や庭仕事で急に体をひねる
・長時間座った後に急に立ち上がる
また、寒い中での活動や運動不足による筋力の衰えも、ぎっくり腰のリスクとなりえます。
そのため、定期的な運動で腰痛のリスクを減らせます。
筋肉の衰え
筋力の衰えが原因で、50代の女性において腰痛が出現する場合があります。
理由は以下の通りです。
- 筋肉による腰痛の原因
- ・加齢による筋肉量の自然な減少
・ホルモン変化
・活動量の減少
・栄養摂取の問題
筋力の衰えが腰痛にどう影響するかについては
- 加齢による筋肉量の減少
- 更年期に伴うホルモンバランスの変化
が主要な因子として挙げられます。
筋力の衰えは腰部の安定性を低下させ、日常生活での負担が腰痛として現れます。
年齢とともにどうしても筋力は弱くなってしまいます。
筋力が衰えないためには、筋肉の維持が必要です。
適切な運動や栄養摂取を防ぐための重要な対策とされています。
腰の筋肉の使いすぎ
筋肉の使いすぎは、筋線維の微小損傷や炎症、筋肉の硬直などを引き起こし、腰痛の形で現れます。
例えば、以下のような状況のときです。
- 具体例
- 事を行う際に重い物を持ち上げる
長時間同じ姿勢で作業を続ける
これらは筋肉に過剰な負担をかけ、腰部に痛みとして現れます。
また、庭仕事などの屈曲や伸展を伴う活動も、弱い筋肉には過大なストレスです。
そのため、腰の筋肉の使いすぎは50代女性の腰痛の原因になります。
したがって、適切な休息の取り入れ、ストレッチや筋力トレーニングによる筋肉の健康維持が重要です。
2.ストレスによる腰痛
ストレスは筋肉の緊張を慢性化させ、腰痛が引き起こされるのです。
また、ストレスは睡眠の質を低下させ、腰痛を悪化させる可能性があります。
例えば、更年期を迎えた女性は、職場での責任や高齢の親の介護といったプレッシャーに直面する場合が多いです。
日々のプレッシャーによるストレスは心身に負担をかけ、特に腰部に慢性的な痛みを引き起こします。
したがって、50代の女性のストレスは、腰痛の原因となるでしょう。
そのため、腰痛の治療や予防にあたっては、ストレス管理が重要です。
3.ホルモンによる腰痛
50代の女性はホルモンバランスの変化が腰痛の原因になる場合があります。
50代の女性は多くの場合、閉経を迎えており、体内のエストロゲンレベルが自然に低下します。
エストロゲンは骨密度を維持するために重要なホルモンです。
そのため、エストロゲンの減少は骨粗鬆症のリスクを高める可能性があります。
骨粗鬆症は脊椎の強度を弱め、軽微な外力でさえも脊椎の圧迫骨折を引き起こす可能性があるでしょう。
実際に、閉経後の女性が腰痛に悩まされるケースでは、骨密度の低下による脊椎の問題が生じやすいです。
50代の女性における腰痛の原因を考える際には、ホルモンの影響を考慮に入れましょう。
4.病気による腰痛
病気による腰痛にはいくつかの種類があります。
特に50代女性で病気による腰痛が考えられるのは以下の3つです。
- 病気による腰痛が起こりやすい疾患
- ・子宮疾患
・乳がん
・骨・腰椎疾患
これらについて紹介していきます。
子宮疾患
子宮疾患も腰痛の原因となり得ます。
なぜなら、子宮の病気が腰痛を引き起こす理由は子宮が骨盤の中にあるからです。
主な子宮疾患は以下の通りです。
- 主な子宮疾患
- ・子宮がん
・子宮内膜症
・子宮筋腫
子宮が何らかの理由で大きくなったり、位置が変わったりすると、近くの神経や筋肉に圧力をかける場合があります。
例えば、進行した子宮がんの患者は、がん細胞が骨盤に広がると、神経や他の組織を圧迫し、持続的で鈍い痛みを感じます。
また、子宮筋腫という良性の腫瘍がある場合、腫瘍が大きくなり周りの組織を圧迫し、腰に痛みを感じる場合があるでしょう。
乳がん
乳がんが骨、特に脊椎に転移することで、腰痛が出現する可能性があります。
乳がんによる脊椎の骨転移はよく見られる場所です。
骨に転移すると骨の強度が低下し、それに伴い痛みや不快感が生じます。
50代の女性で乳がんの既往がある場合、新たに発生する腰痛は注意しましょう。
以下のポイントに当てはまる場合は注意が必要です。
- 注意ポイント
- ・腰痛が持続的
・休息時にも改善しない
・夜間に痛みが増す
したがって、50代の女性で乳がんの既往があり、新たに腰痛を経験する場合は速やかに専門医に相談しましょう。
腰椎疾患
腰椎疾患が50代女性の腰痛を引き起こしている可能性があります。
50代女性に頻発しやすい腰椎疾患は以下の2つです。
- 50代女性に頻発しやすい腰椎疾患
- ・椎間板ヘルニア
・脊柱管狭窄症
それぞれ解説していきます。
◾️椎間板ヘルニア
椎間板ヘルニアは、脊椎の椎間板が突出し周囲の神経根を圧迫することで、腰痛を引き起こします。
椎間板は年齢を重ねるにつれ以下のような現象が起こります。
- 注意ポイント
- ・自然と劣化
・水分が減少
・弾力性が低下
例えば、50代の女性が急に腰から足にかけて痛みを感じ始め、その後足にしびれや筋力の低下が現れた場合、これらは椎間板ヘルニアによる典型的な症状です。
足の痺れなどの症状が現れた場合、速やかに専門医に相談しましょう。
◾️脊柱管狭窄症
脊柱管狭窄症は、脊椎の中を通る脊柱管が狭くなり、脊髄や神経根を圧迫する症状です。
椎間板ヘルニア同様に50代の女性では特に発症リスクが高くなります。
脊柱管狭窄症になる理由は以下の通りです。
- 脊柱管狭窄症になる理由
- ・脊柱の骨や関節の変形
・椎間板の変性
・靭帯の肥厚 など
脊柱管狭窄症になると足の痺れや力の入りにくさを自覚します。
特に長時間立っていると腰痛を感じ、座ると和らぐ症状が起こります。
座ると腰痛が和らぐ場合、脊柱管狭窄症による腰痛の典型的な症状です。
速やかに専門医に相談し診てもらいましょう。
50代の女性でもできる腰痛対策3選
50代でもできる腰痛対策は以下の3つです。
- 50代でもできる腰痛対策3選
- ・ウォーキング
・ストレッチ
・筋トレ
これらの腰痛対策を取り入れて、長く腰痛が続かないようにしていきましょう。
1.ウォーキング
ウォーキングは体への負担が少なく、全身の筋肉を均等に使う運動です。
背中や腰周りの筋肉が強化され、腰痛の予防や緩和が期待できます。
50代女性のウォーキングのポイントは以下の通りです。
- ウォーキングのポイント
- ・週に2~3日、1日約30分程度
・ウォーキングシューズを履く
・快適なペース
歩く環境も変えながら、自然豊かな場所でリラックスしながら歩くことで、精神的なストレスも解消されます。
「ウォーキングが継続できない」
という方におすすめの方法は、「日常生活にウォーキングを取り入れる」ことです。
例えば
「通勤を車から自転車にかえる」
「買い物を自転車から徒歩にかえる」
この2つを意識してウォーキング時間を増やしましょう。
定期的な運動の継続は簡単ではありません。
日常の中のちょっとした工夫でウォーキングを取り入れてみましょう。
2.ストレッチ
腰痛対策にストレッチは効果的です。
以下のような理由があります。
- ストレッチの効果
- ・筋肉の柔軟性向上
・血流の改善
・姿勢の改善
例えば、腰回りのストレッチでは座った状態で行うひねりの動作や、体の前屈運動を用いた太もも裏のストレッチなどが有効です。
特に腰周りの緊張を解放し、柔軟性を向上させるのに役立つでしょう。
ただし、ウォーキング同様、継続的な取り組みが必要です。
継続のためには、毎朝ベッドの上で軽くストレッチを行う習慣をつけることで、日々の腰痛予防につながります。
ストレッチは、特別な器具や高度な技術を必要とせず、自宅や職場などいつでもどこでも手軽にできます。
また、ストレッチは年齢や運動経験に関係なく、誰でも始めやすい腰痛対策です。
50代の女性においても、日常的に簡単なストレッチを行うことで、腰痛の予防や軽減に大きな効果を発揮します。
3.筋トレ
50代女性の腰痛対策で筋トレも効果的な方法です。
理由としては、年齢とともに減少する筋肉量を補強し、腰部にかかる負担を軽減します。
例えば、具体例は以下の通りです。
- 筋トレの具体例
- ・スクワット
・プランク
・重量トレーニング
筋トレは下半身とともに全体的な筋肉バランスを改善し、体の安定性を高める効果があります。
腰痛を悪化させないために50代女性が気をつけるべきこと
腰痛を悪化させてしまうと日常生活や仕事に影響してしまいます。
日常生活に影響しないよう、50代女性が腰痛に対して気をつけることは以下の3つです。
- 腰痛に気をつけるポイント
- ・腰に負担のかかる姿勢を理解する
・同じ姿勢を続けないようにする
・運動を継続する
それぞれ詳しく解説していきます。
腰に負担のかかる姿勢を理解する
不適切な姿勢は腰痛の原因の一つです。
日常生活での姿勢を改善することによって、腰への負担を軽減し、痛みの改善に繋がる可能性があります。
具体的には、長時間同じ姿勢でいることや、猫背などの悪い姿勢が腰に過度のストレスを与え、腰痛の原因になります。
姿勢を改善するためには
・座る姿勢
・立つ姿勢
を行う場合に以下のような点に注意すると良いでしょう。
座る姿勢 | 立つ姿勢 |
・背もたれを使う・腰にカーブを保つ・足は床につける・膝は90度に保つ | ・背骨の自然なカーブを保つ・肩はリラックス・腹筋を使って体の中心を安定させる |
正しい姿勢を意識することに加えて、定期的な運動やストレッチ、適切な体重の維持も腰痛の改善に役立ちます。
同じ姿勢を続けないようにする
同じ姿勢を長時間続けないようにするだけで、腰痛改善に役立つでしょう。
長時間同じ姿勢を保つことは、筋肉や関節に過度なストレスをかけ、腰痛を引き起こします。
定期的に姿勢を変えることには、次のようなメリットがあります。
- 姿勢を変えるメリット
- ・血流改善
・筋肉の緊張緩和
・関節の柔軟性維持
特に長時間のデスクワークなどで腰痛が出現している人には有効な手段です。
適度な休憩をとり、同じ姿勢を続けないように注意しましょう。
運動を継続する
腰痛を悪化させないようにするためには、適切な運動を行いましょう。
適切な運動は以下のような効果があります。
- 運動の効果
- ・筋力を向上
・柔軟性を高める
・体のバランスを良くする
運動によって腰部にかかる負担を減少させる効果があります。
特に以下のような運動が推奨されます。
- 推奨される運動
- ・散歩
・水泳
・自転車
散歩や水泳などの有酸素運動は、体に負担をかけずに筋肉の強化ができます。
有酸素運動を中心に運動を継続するように意識してみてください。
50代女性の腰痛で医療機関に受診すべきサイン
特に、以下の症状がある場合は、より専門的な治療や評価が必要です。
- 注意点
- ・腰痛が数週間続く
・痛みが強く日常生活に支障をきたす
・足のしびれや力の低下が見られる
筋肉の問題を超えて、神経系統の損傷などが生じている場合は受診すべき症状です。
適切な診断と治療を受けることで、症状の悪化を防ぎ、より適切な治療計画を立てられます。
医師は、症状に基づいてさまざまな診断(X線、MRIなど)を行い、結果をもとに最適な治療法を考えます。
例えば、子宮がんでは腰痛以外に以下のような症状に注意が必要です。
- 子宮がんで起こる腰痛以外の症状
- ・不正出血
・下腹部の痛み
・排尿障害
医師は腰痛以外の症状が出た場合、子宮の症状と判断するためにX線、MRIなどの検査で診断をします。
【実体験】理学療法士が教える50代女性によくある腰痛
理学療法士として10年の経験のなかで、腰痛に悩む50代女性へのリハビリを経験してきました。
その中で、代表的な2例を腰痛対策を含め紹介します。
腰痛を抱えた50代女性の症例①
50代女性の中には、デスクワークによって長時間座り続けたことが原因で腰痛を発症する方がいます。
腰痛の原因は「座りすぎ」です。
座りすぎは腰部の筋肉を緊張させ、血流を悪くさせます。
その結果、腰痛が出現してしまいます。
対策として、最も効果があるのはストレッチです。
また、仕事中の姿勢や仕事方法を変えることも提案する場合があります。
座る時間を減らすためはスタンディングテーブルの導入が良いでしょう。
Googleなどの大手企業でも取り入れているスタンディングテーブルは、これまで座って行っていた作業を立って実践することで腰痛対策になります。
腰痛を抱えた50代女性の症例②
50代で介護職に従事していると、しばしば腰痛に悩まされます。
特に、50kg程度の体重を持つ高齢者の介助は、腰に大きな負担をかけます。
実際に、私たち理学療法士でも介助時に腰痛を発症する方が多いです。
腰痛を防ぐための一つの対策は、介助姿勢に注意を払いましょう。
例えば、重いものを持つ際は、体の重心を低く保ちながら持ち上げると楽です。
反対に、重心が高い状態で介助を行うと、特に前傾姿勢が腰に過大な負担を与えてしまいます。
そのため、重心を低くして介助すると、腰痛の予防につながります。
介護職の方には介助姿勢の指導が最も効果的な腰痛対策です。
悪い介助方法を実践し続けることで今後仕事に支障をきたす場合があります。
今回の記事では50代女性の腰痛の原因や対処法について詳しく解説しました。
50代女性の腰痛の原因は筋肉の問題やストレスなどが考えられます。
対策として、筋トレやストレッチといった運動の継続を取り入れていきましょう。